2022年10月 6日 (木)

「親子はねやすめの活動報告」

9月16日卓話要旨
宮地 浩太会員
(NPO法人親子はねやすめ 代表理事)
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日頃より温かいご支援ご声援、ありがとうございます。心から感謝申し上げる次第です。また纐纈会長のもと皆々様に支援金を賜りましたこと重ねて御礼申し上げる次第です。地区大会では、東京神田ロータリークラブの「親子はねやすめへの支援」で受賞した連絡に感謝とともに恥じる思いが致しました。早く復会できうるように生業の強化に励みます。
ご報告の一つとして、東京神田RCの週報は、2021年4月より障がいをお持ちのお子さんを育てているお母さまたち数名が文字起こしをしています。介護の隙間を縫って、「仕事」として請け負って頂いております。もちろん経験者はいないのですが回数を重ねるごとに勘所を掴んできているお母さまも出てきております。週報をご覧になられる際に、支援しているご家族が、東京神田RCの仕事をしているということを御知りおきください。幾通りもあるであろうご家族への支援の形、その中で東京神田RCは例会を通じて家族への支援を実践していらっしゃいます。
 さてメインのご報告になります。2020年春先に新型コロナウイルスの猛威に外出をメインとした活動はオンラインを利用しての活動へシフトさせてまいりましたが、ようやく本年より野外活動ができるようになってまいりました。本年5月には、コロナ禍になる以前には恒例となっておりました国立昭和記念公園で、ご家族を招いてのバーベキュー会をコロナ感染防止策を徹底しながら実施できました。 
ご家族も10組を超えるご参加を頂き大変賑わいました。バーベキュー会場運営会社の皆様が、私どもの活動をよく理解してくださって、設営と食材の準備を事前にして頂いた関係もあり、たいへんスムースに会が進みました。ボランティアに参加くださいましたメンバーの負担もかなり軽減されたこと、社会の中での活動として理想的な時間となりました。
ご家族の皆様に、バーベキュー会場の多大なご協力があったことを紹介し、運営リーダーの方へ拍手をもってお礼ができたことも数をこなしてきているこのバーベキュー会として初めての場面となりました。運営側にないメニューをサービス頂けたことに胸が熱くなると共に、私たちの活動における「社会との繋がり」を実感できる理想といえる時間をご家族に提供できましたことご報告いたします。
 そしてもう一つ、「第10回親子レスパイト旅行」のご報告となります。旅行会実施に向けて準備に入るころの6月後半あたりから、急激に感染者が増えてきました。既に4組のご家族をお誘いしていて日増しに増え続ける感染者の数に「中止」の2文字がスタッフや旅先である長野県筑北村の面々の頭に過っていたことは言うまでもありません。一組のご家族がコロナを理由に、参加を断念。団体としても最終判断をどこでするのかが迫られていました。そして2週間前、「行きたい。どうしても。この子と一緒に。家族全員で」と医療チームより家族の声が届きました。この要望あって実施に向けての調整を進めました。連携医療チームも私たちの背中を押してくれたことも、実施への勇気となりました。残念ながらもうひと組のご家族のお子さんが直前に体調を崩し参加を断念。2組のご家族ご案内することになりました。筑北村の受け入れボランティアの理解も得られ、無事に2泊3日の旅行会は成功。 
帰宅後翌日と3日後に参加家族及びボランティア、筑北村のボランティアメンバーに体調を崩していないかを確認。誰一人体調を崩していないことを確認でき無事終了となりました。
最後に、11月に葛西臨海公園へ対象家族のごきょうだい児を連れて水族館へ行きます。お子さんたちの面倒を見ようと2014年、2015年に旅行会へ案内をした子どもたちが中学生、高校生となっており「ボランティアに参加します」と2名が手を上げてくれました。  
当時このような事は想像もしておらず、次の世代に繋げる一つの形が表れてきたことを東京神田RCの皆々様に感謝の気持ちを込めてご報告申し上げる次第です。皆々様のご支援ご声援によって生まれた事象です。私たちの世代、そしてクラブが、次の世代に残せることは何かを形にし、繋いでいくことの一つが「親子はねやすめへの支援」で示せるようになってきたと感じています。引き続きご支援ご声援をお願い申し上げます。

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「ロータリーの友 あれこれ」

9月2日卓話要旨
ロータリーの友事務所所長・理事  渡辺 誠二 氏
(清水 宜夫会員紹介)

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『ロータリーの友』の今月号を開いて頂くと、縦書き横書きがあり、横書きが機関誌的な意味合いで、国際ロータリー(RI)会長からのメッセージが載っています。その下にある小さなマークは、RIに指定をされた記事だという印です。この本はRIの本部が出している会員必読の従来の『The Rotarian』を日本語で読みたいという方のために発行されました。先々代の柏原孫左衛門氏が推進役を買って出て下さり、全国のパストガバナーの皆さんが集まって喧々諤々の議論をした末に、1953年1月号からスタートしました。  
以来、コロナの大打撃で一度だけ合併号とした以外は、2022年の9月号まで一巻も欠けることなく発行しております。もうすぐ70年を迎えますが、これからも頑張りながらやっていこうと思っております。
大先輩の多田さんには、2008~2009年、まだ法人となる前に、委員会の顧問としてお入り頂き、毎月の委員会では、その舌鋒鋭い議論が一般社団法人設立に繋がりました。委員会には先輩方が沢山資産を残して下さっていましたが、どのように法人に寄付をすれば良いのかと税務署に何回も足を運び、設立は2010年3月となりました。
1953年の1月に『友』ができてから現在に繋がるまで、皆さんで共有できるようにと言うことで発行して参りました。そして今年の7月1日から、新たにアーカイブが提供できるようになりました。このアーカイブというのは、創刊号から最新号まで全て載っており、検索機能が全冊子を通じて可能です。また電子図書館のように、どこでも見ることができます。
雑誌の中に「俳壇・歌壇・柳壇」というコーナーがあります。俳句は今欧米などでも人気があるそうなのですが、現在投稿数は昔の半分ぐらいになってしまいました。70周年で何かやりたいということと、このコーナーをもう少し充実させるという意味合いで、記念大会を行いたいと考えております。大きな会場にみんなで集まって行うことが一番望ましいのですが、コロナの状況もありますので、誌面上でと思っております。是非我こそはという方は、ご自身だけでなくご家族の方も投稿が可能ですのでお願い致します。
さて会員資格を維持するためには、指定されている雑誌を購読しなければならないということで、皆さんから購読料をお預かりしてこの雑誌を作っております。DEI(多様性、公平さ、インクルージョン)、その他、RIが発信している大きな目標、価値、これらをどのようにクラブライフの中で皆さんが議論をして作っていくのか。多様性というと女性会員の問題ばかりが取り上げられますが、それだけではないはずです。イコーリティは常に公平であるということですが、インクルージョンに関しては日本語にまだ馴染みません。福祉や教育の領域では40年も前から使われていた言葉ですが、やっと今、我々社会の表面に出てきた言葉です。そのようなRIから出てくる様々なエッセンス、メッセージを横書きでお伝えし、縦書きでは、皆さんがお互いに意見交換を誌面上で行えるようにと考えて「声」というところに感想を頂く、という誌面作りをしております。
RIが定めた写真を全紙共通で載せることもありますが、私共の『ロータリーの友』の表紙は、デザイナーさんが、アイサーブの思いから、障害をお持ちの方々が描いた作品を取り入れることでの発表の場を作ろうと取り組んでおられます。
最後に、『ロータリーの友』はロータリアンを結ぶお手伝いをします、させていただきます。同じ趣味を持ち、俳壇で常に一緒に並ぶ方、またどこかでお会いしたら、「あなたですか」とすぐに打ち解けられるような環境を、皆さんと共に作っていきたいと考えております。そのため値上げをせずに頑張って参りましたが、やむを得ず7月号から50円の値上げをさせて頂いております。そのお陰でアーカイブも整備することができておりますので、感謝すると同時に、その分、我々も頑張って編集発行して参ります。色々なご意見を集めて頂き、ご指導頂ければと思います。
今月は「ロータリーの友月間」ということでお呼びいただいております。かつては世界でやっておりましたが、今では日本だけです。我々はみなさんと共に『友』を本当に成長させていきたいと考えておりますので、今後共どうぞ宜しくご支援をお願い致します。

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2022年9月 7日 (水)

「ロータリーの楽しみ方」

8月5日卓話要旨
「ロータリーの楽しみ方」
中央分区ガバナー補佐 尾崎 由比子 様
(東京丸の内RC)
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   今年度千代田グループを担当しております尾崎です。私は千代田区に非常に所縁があり、小学校から新社会人まで多くの時間を千代田区で過ごしました。新卒で入社した広告会社を出産で退社後、14年間の専業主婦を経て再就職し、現在は㈱ダイオーズ社外取締役の他、自分の会社も設立したところです。ロータリー歴は浅いですが、恐らく皆様が経験されたことがないことを一つだけやっております。新クラブの設立です。東京丸の内RCの創立に発起人として関わり、創立会長を務めました。スポンサークラブである東京お茶の水RCの親クラブである東京神田RCの皆様には本当に感謝しております。
本日はロータリーの楽しみ方ということで、会員増強とロータリーの強みという順に、お話を致します。まず、会員増強ですが、私は東京丸の内RCを設立する時に約400名と会いました。その内、例会に来てくれたのが100名、そして創立会員21名という確率です。例会に来て下さると入会率が高いので、とにかく色々な人に話をしてみることだと思います。
昨今は、様々な種類の交流会が開催されています。勉強会や朝活、趣味の会やイベント型などがあり、最近特に増えてきたのがオンラインやSNSでのグループ交流です。無料で参加できるものや、手を挙げれば入れる無条件型もありますが、年会費や入会金、あるいは入会の審査や紹介が必要な「条件型」はクオリティーが高いと言われています。入会する方もその辺りを意識して、様々な選択肢の中からロータリーを選ぶことになります。RI会長が「全員に共通する入会理由は、招待されたから」と述べているように、私たち一人ひとりがこの招待状を誰かに送ることができるのです。
ロータリーのメリットを振り返ると、ロータリーには、伝統格式と信頼があること、世界組織であること、組織運営やクラブの事務局があること、メークアップ制度により国内外問わず他クラブと交流の機会を持てること、米山奨学金による青少年交換留学生制度があるということも誇らしいことです。家族を大切にする文化があって退職後も活動が可能であること、寄付先をきちんと確認しているので、安心して社会貢献活動に参加できること、ロータリー財団があり、地区補助金やグローバル補助金を利用することもできます。何より、同じ価値観のロータリアンと世代問わず近しくなれるのは最大のメリットだと思います。
会員に必要な要素を考えた時、「4つのテスト」「三大義務」「ロータリーの行動規範」は本当に素晴らしいものだと改めて思います。私も大勢の方を招待しましたが、会員増強のポイントとして、やはり事前の説明や目的の確認はとても大切です。又、若い方は奉仕活動がしたくて入会することも多いです。協力して欲しいことを具体的にお伝えし、イメージしてもらうのも良いでしょう。女性会員、若い会員にも是非声を掛けて頂きたいと思います。若い会員の中にはメンターを求めているような経営者の方も沢山いるようです。先輩方が声を掛けると相談事なども出てくるのではないでしょうか。身銭を切るという意味で、会費を払って頂くこともとても大切だと思います。 学生時代の友人や遠い親戚、子ども関係の繋がりなど、意外なところに候補者が存在します。そして、クラブを魅力的に見せる工夫として、みんなが話しかけるなど、歓迎されていると感じてもらえるような努力も必要だと考えます。
ロータリアンの強みとしては親睦、メークアップ、そして、世界のロータリアンと繋がることが出来る点を挙げたいと思います。他クラブの親睦の一例ですが、誰しも心の中ではご自身の仕事にもなるといいなと思っているので、それを委員会にして、持ち回りで自分の事業について皆さんに理解をしてもらい、取引先や協力機関を紹介して頂いたりアドバイスを頂いたり、ということを始めてから入会が増えた例もあります。ロータリー親睦活動グループをご存知でしょうか。マイロータリーの検索で検索して頂くと世界中のスキー場をめぐる会など、面白そうな会が色々あるようです。
最後に地区の活動についてご案内申し上げます。次回8月26日はガバナー公式訪問、9月9、10日は地区大会です。早い段階での結束、ガバナーの方針への理解、情報共有の為にも、是非ともご参加頂ければと思います。この一年間、色々ご協力頂くことになるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。

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2022年8月30日 (火)

「チーム改革による学生卓球グランドスラム達成秘話」

7月29日卓話要旨
前・早稲田大学卓球部総監督兼女子部監督   櫻井 茂雄 氏
(池原郁夫会員紹介)

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ご紹介にありましたように早稲田大学の監督をしておりましたが、最初から強い選手を目指して卓球を始めたわけではなく、中学では野球部に所属し、関東学生野球の歴史に残る早慶六連戦をラジオで聴き、憧れて早稲田を目指すようになりました。偶然入部した卓球部で、高校から大学、実業団、ましてや母校の監督になるとは夢にも思っていませんでした。サラリーマンと卓球と二足の草鞋を履き、仕事と共通することも多々感じてきました。
まず学生スポーツの目的・意義を挙げますと、一つは個人での悩み、チームでの苦悩を仲間と共有しながらやり通したことは「人生の生きた教材」であるということ。私にとっても卓球は人生の生きた教材であり、それを通して何とかここまで来ることができて、今この場に立てていると感じています。そして「3F(Fighting-spirit、Fight-fair、Friend-ship)」これはスポーツだけでなく、社会人になってからも活きていると思います。
それから、仲間と目標を共有し、苦楽を共にし、目標を達成した際に得ることができる「感動・感激・感謝」。感動の後、何かしらこみ上げてくる感激と感謝は、誰にお世話になったではなく、周りにいる人全員に感謝したくなる気持ち。これは人生の無形資産となる体験であり、後輩たちにも味わって欲しい、そして社会に出て良い人生を送って欲しいという思いもあって、私の監督としての基本的なスタンスでした。
次に監督になった経緯ですが、総合大学のスポーツといえば男子がメイン。早稲田卓球女子は、良くて関東学生リーグの2部、部員が揃わないと5部まで落ちるという状況でした。そういう中で当時のOB会長から「男子の応援に行った時に、女子も同じ会場で試合をしているよう1部に昇格・定着させてほしい」と要望を頂きました。当時、卓球専門メーカー・(株)タマスに勤めていたことから交流のあった福原愛選手を始め、有力選手の入学が決まっており、今が1部に上がるチャンスだということ。このような選手をうまくまとめていくのは誰にでもできることではない、と先輩から強くお誘いいただき、悩みに悩みましたがお引き受けする決断を致しました。 
そして監督就任の道場開きにて「女子部の歴史を変えます。関東学生リーグの春リーグ・秋リーグ、インカレも優勝して三冠を取ります」と、当時の女子部からすると、とてつもない抱負を宣言してしまいました。部員には「監督というのは上下関係ではなく、プロジェクトチームの単なる役割であり責任者であって、青春を共にする仲間だと思ってくれ」と伝えました。目標に向かって「限界」に挑戦する姿、「希望を捨てるな、希望を失った時も努力を捨てるな!努力する者には何時かチャンスが来る!諦めたらそこが自分の限界!」だから諦めるなと伝えてスタートしました。
まずチーム改革をするには、意識から変えなくてはと思い、目標の明確化を実施。「目的(卓球をやる意義,使命,無限に達成不可能なもの)」と「目標(達成可能な具体的な数値,技術,戦術,等々)」は似て非なるもの。チーム目標は全員で一致、共有せねばならないため監督が決めるとし、道場開きでも掲げた三冠。個人目標は、時期や順位等、数値目標を明確にしステップアップできるよう選手に設定させ、期限内に達成できなかった場合は面談を行い修正していきました。
又、主将など部内人事の選任方法を改革、活性化しました。部員一人一人から意見を聞いてボトムアップしながら、監督とコーチがトップダウンで決める。自主性に任せて群れが出来てしまうなど、チームが割れてしまうのは非常にマイナスなので、これだけはやりたいと思っていました。チーム運営(組織運営)で取り組んだのは、選手の「3自(自主性,自律性,自己責任)」。「報告・連絡・相談」の徹底。又、ベクトルを合わせること。一般入試とスポーツ推薦で入った選手がおりますので、意識、技術、経歴に差がある中で、全員が優勝を目指し、チーム目標へいかに持っていくかという事を大切にしました。
卒業部員には、生涯で悲しみの涙は誰でも体験するが仲間との3感の涙は滅多に無く、お金で買えない貴重な体験だと伝えて送り出しておりました。
以上、皆様に何か参考になれば幸いです。

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2022年8月22日 (月)

「ふしぎな道のり」

7月22日卓話要旨
宮内庁 書陵部    大久保 洋子 氏 
(福岡 正人会員紹介)

大久保洋子と申します。私の名前は自分から話さない限り大久保利通との縁があると分かりません。ある意味助かっていましたが、祖父が亡くなり、父も高齢となった時に、自分がやるべき事は何かと考え始めています。世間での利通に対する評価は各時代によって変化してきました。ただ、利通を暗殺したのは石川県士族でしたが、祖父母や父から鹿児島や石川への悪口や批判等を聞いた事はございません。私は利通が鹿児島や世間でどういう評価を受けているか知らずに育ちました。祖父が亡くなった時に、「利」の字がついている父の名前でしなければならない事は、父にしておいて欲しいと考えました。私にできるのはお墓を守り、祖父母達が世代を超えて守ってきた物をいかに受け継ぐか、そして、考え方の部分でも、自分たちの歴史あるいはインターネット社会が抱える問題に対して、自分の立場や考え方をしっかりと持って見ると色々なことが見えてくるという事を伝える役割を果たせたらと思います。
子孫達が利通をどう捉えるかは時代の影響を受け、各世代により異なります。利通の子どもの世代では幕末・明治の影響が大きい時代でしたが、次男の牧野伸顕と三男の利武は自分達の記憶が新しい内に残された資料を整理して後世に残そうとしました。また牧野は政府の閣僚となり、利武は大阪府知事等を務め、社会福祉にも目を向けたようです。 
子ども達が自分の信じるままに歩いてきた結果が利通の意志を継ぐ事となりました。利武の子どもである利謙は近代史研究の学者となりました。牧野と利武が文書集を作った姿を見た影響か、利謙は資料を収集、国立国会図書館の憲政資料室設置にこぎつけました。当時は各藩の影響も色濃く残っていたため、明治維新を語るには難しい面がありましたが、大名の方にも資料提供に協力していただき、その時代に合ったやり方で明治を捉えたわけです。
利謙の子どもである私の父は普通のサラリーマンとなりましたが、40代の時に自分の祖先についての勉強を始めました。政治にも関わらず、研究者でもありませんが、世代が下がってくる事による、利通への寄り添い方が出てきます。不思議な事に父の世代、世間に明治を改めて問い直すという姿勢が出始めた時になって、未発見の資料がポロっと出てきて、利通がどういう考えで明治政府を動かそう、近代化を進めようとしていたのかという事をテレビのドキュメンタリーで研究者から客観的に語られるようになりました。 
またテレビ画面に映る資料は印刷物よりも説得力があるという事で、多くの方から資料の持つ凄さについてのお声を頂戴しました。資料がいかに大事であるかを教えてくれたのは利通の子どもの牧野と利武達です。資料の大切さは祖父と父を経て、今、私のところに伝えられています。
平成の時代に、千葉県の国立歴史民俗博物館に殆どの資料を寄贈しました。これは「利」がついた父でなければと思い、私が父の背中を押して利泰の名前で寄贈しました。歴博は展示会を開き、写真撮影可能として下さいました。殆どが書簡類で見栄えがしませんが、来館の方達が文書を熱心にご覧になって下さり、本物が持つ力を再認識しました。
今はデジタル化により復刻ができますが、本物の資料を実際に手に持って見ることの大切さについて皆様の意識を向けることができたかと思っています。
私は名前に「利」がついていませんが、大久保という名字だからこそ色々な方とご縁ができ、皆様のおかげで積み重ねてきた事が、結果的に大久保を理解する大きな糧になったと感じています。
こぼれ話ですが、大久保利通の銅像の台座には人物と馬のレリーフがあります。利通暗殺の際に一緒に殺された身寄りがなかった馭者の中村太郎君と馬のため、午前に馭者と馬の仮葬儀を行い、午後に大久保の本葬を行いました。中村太郎君と馬の墓は利通の墓の横にあります。その事を父からお聞きになった制作者の中村晋也先生がレリーフを入れて下さいました。
また、日本初の殖産計画でできた安積疏水がある福島県郡山には大久保神社があります。旱魃時にも水が途切れないのは大久保利通公のおかげですとおっしゃって頂きました。こうして道のりを申し上げて参りましたが、大久保等が歴史を動かしたと話す方もありますが、やはり市井の人々の血と涙と命があって、幕末から明治そして今の発展があると最後に申し上げます。





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2021年7月 6日 (火)

「出逢い・感謝 ボクシングのおかげで」

6月11日卓話要旨
JBC試合役員会会長・レフリー  吉田 和敏 氏
(東京足立ロータリークラブ)

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   本日はお招きありがとうございます。伝統ある格調高い東京神田RCで自分の思いを伝えられる場を頂き本当に幸せです。レフリーの服装で参りましたが、正確には少し違います。まずはシャツ、昔の青いユニフォームで来ました。そして靴、レフリーも選手と同じゴム底のリングシューズです。レフリーは黒子なので黒が良いです。選手が接触して怪我をしてしまうかもしれませんので、金属類を身に着けてリングには上がれません。眼鏡も結婚指輪もダメです。本日はボクシング現役時代の話しをしたいと思います。
高校生の時は何を隠そう呼び出し第一号、何となく学校に行きたくなくて、何日もサボり両親に心配をかけました。国学院大学に入学後、もう一度運動部に入ろうと選んだのは親父曰く何の役にも立たないボクシング部でした。
2年生まで勝てず一大奮起、スタミナとパワーは他人より勝っていたので走ることを決断し、一日30㎞、雨の日も台風の日も休まず走りこみました。親友との出会いもありました。褒め上手の九州男児、彼のお陰で自信が付きました。3年生の決勝戦、当時アマチュアの試合はヘッドギアなどを付けておらず、下顎と左横顎を骨折しながらも優勝。優勝する姿をどうしても見せたかった親父は満足そうな嬉しそうな最高の笑顔をしていました。3年生の秋にはキャプテンになりました。両親のモットーである率先垂範、誰よりも練習して皆を引っ張りました。4年生、決勝戦の相手は赤門パワーと呼ばれスポーツが強かった東大の早稲田選手。対決の前、通っていた簿記学校の欠席届に親父が「これは一番縁起がいい判子なんだぞ」と言いながら押してくれたことは、今も忘れられません。
卒業後、一度は企業に就職するも、自分の可能性に挑んでみたいと、プロボクサーになることを決め、配属されたファミリーレストランの仕事の前後、早朝深夜に再び走り始めました。けれどプロで成功するにはどうしても無理でした。規則正しい生活リズムが必要だったのです。親父の勧めで実家に戻り、名門の帝拳ジムに入門。但し25歳までという条件付きです。ここには、故 大場政夫さん、そして、彼を母親のように厳しく温かく育て上げたマネージャー長野ハルさんがいました。皆から親しみを込めて「お姉さん」と呼ばれていた彼女のことをボクシング界で知らない人は一人もいません。お姉さんはプロになった私のマネージャーでもありました。デビュー戦、ボクシングの聖地、後楽園ホールに50人以上が応援に駆けつけてくれました。しかし、僅か1分46秒でノックアウト。その時、お姉さんに言われた「今日はなかったことにしましょう」の一言にどんなに救われたかわかりません。恩師宮崎先生の「吉田君、逆境にあった時、本当の人間性がわかるんだよ」との言葉に気づくと大粒の涙をいっぱい落としていました。ところが、人間て弱いんですよね。次第に走るのをやめ、ジムに行かず上野界隈をブラブラしては一杯やって家に帰ることも。  
そんなある朝、お袋が襖を開けて大きな声で「走らないのか。負けたままで悔しくないのか」と。私はこの一言で生まれ変わりました。そして屈辱の敗戦から8カ月後、プロ第2戦目で勝利。親父は大学時代と同じ最高の笑顔をしていました。東日本新人王は準々決勝まで進んでいましたが、0対2の判定負けでした。もし勝っていたらボクシングを続けていたかもしれません。
その後、分かったことがあります。あの朝お袋が厳しく𠮟りつけたのは、ボクシングで得た自信や信念をボクシングで失わせてはいけないという親心だったと。今は心底感謝しています。そして、ボクシングに対する感謝の気持ちを込めて、JBCレフリーとしてリングに立っています。レフリーが試合前、選手をリングの中央に集めて何を話しているのか知っていますか。
決まり文句はありません。細かい注意は耳に入りませんから、大切にしている気持ちを言います。「JBCルールを守って、ベストを尽くして、悔いを残さないように、頑張って」今、一番の楽しみは出会った人達をボクシングに招待する“ボクシングとファミレスの夕べ”です。後楽園ホールとファミリーレストランで共有する時間は至福の時です。
最後に、大好きな相田みつをの言葉から「ひとの世のしあわせは、人と人とが逢うことからからはじまる よき出逢いを」。ありがとうございました。

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「建築家を上手に活用する術」

4月22日卓話要旨
(株)インテグレーティッド デザイン アソシエイツ 

代表 矢田 康順 氏   (山路 熟会員紹介)
  本日は、私が経験した事例を通してお話しさせて頂く事で建築家や日本の建築への理解を深めて頂いて、皆様と一緒により良い街づくりや国づくりに役立てばと思っております。建築家の仕事は、施主からの依頼に厳しい枠組みや条件があればあるほど、それを乗り越えようと情熱を燃やし、何が一番施主にとって良いのかを解いていくことだと考えています。
 まずは御殿山の原美術館です。「戸建住宅の持つ良さを持った集合住宅が出来たら褒めてやる」と言われて挑戦しました。各住戸のベッドルームの上に他人のリビングが来ないよう階層を組み合わせて隣人からの音の問題を排除しつつ、各住戸が庭を持てる案を提示して喜ばれました。普通なら5棟の建売だったものを上に複雑に積層させることで、都市住宅への1つの回答としました。
 二番目は軽井沢に建つ漆芸家のお宅。都心に住みながらアトリエとして、また冬場は住み込みで利用し、いずれは終の棲家にしたいとのこと。作家としての創作空間と同時に家族や周辺の人たちとの交流を自然環境の中でどうやって融合できるか。私の回答は二つの少しズレた正方形プランの重なる部分に、個人の空間とは別に家族の共用部分を設けました。また、全ての扉を完全開放可能とし、中央の家族領域が個人・自然のどちらの領域にも属せるように計画しました。
 三番目はイギリスのロイズ保険会社です。150年はもつように、又、フレキシブル、且つ、維持管理を簡単にという要求に、当時ボスだったリチャード・ロジャース卿と取り組みました。内部空間は将来もフレキシブルに変化可能な単純な長方形。一番の特徴は、トイレ・非常用階段・エレベーターが各階の全て外側に塔状にあること。これにより20~30年で劣化し、交換必要な設備は執務空間に影響なく取り替えられます。40年以上前の建物ですが、今なお、先端技術の空調設備やユニークな新工法による吹き抜け空間が健在です。
 もう一つユニークなのがディズニー本社です。何もないフロリダ・オーランドの湿原地帯に、新しい文化と歴史が欲しい、ディズニーのキャラクターを使うこと、という二つの課題でした。当時ボスだった磯崎新の回答はオーランドは太陽の恵みだけは世界一と、世界最大の円錐型日時計を持ち込んだこと、その時刻は米国NASAで解析された精密なものです。そして素晴らしいことに、ディズニーキャラクターで一番有名なミッキーマウスの耳型を、建物の中心であるエントランスの庇にオマージュ(敬意)として持ち込みました。
 次は湯布院の駅舎です。通過点としての駅ではなく情報発信の地、一方、町は観光の俗化を排して住民参加型の文化施設をとの要求でした。そこで、駅舎を美術館にすることを提案。駅舎から言えば待合、町から考えれば美術館という文化施設。それらを上手く混在させることで、町民も喜び、旅行者も30分に1本の電車の“待ち時間”に地域文化に触れあえると、村おこしとしても全国的にも有名になりました。
 次に熊野本宮大社の瑞鳳殿です。台風被害で二度も川の氾濫による水害を受けていましたが、防壁は作りたくないとのこと。ならば、どのように水を被らずに逃がすかと考え、絶対に水に浸かってはならない物から浸かっても被害が少ない物まで、施設を高低レベル的に3つに分けて計画。これにより、一部、空中に浮いた施設の下は消防水利(消防団の為の池)の水遊びができる浅い水盤としました。結果、参拝者の憩いの場となっています。
続いて南方熊楠の資料博物館です。施主の要求は地場産の木材を使い、且つ、隣接する熊楠の住居とどう関わり開かれたものにするかというもの。木造建築に必要な耐力壁は従来の工法では壁を完璧な塊にするため閉鎖的になります。そこで、日本の伝統工法である“貫”を新しい形の”貫壁“として採用。数々の試験を経て耐力壁として認められ、失われつつある伝統を新しい表現として伝承させました。
技術を追求した結果、施主が求めるものが回答として出てくるのが一番の楽しみです。それをデザイナーとして美術的・芸術的に収めていきます。
その他の近作においてもアップル福岡では米国アップル社らしさの中に日本の美意識や伝統を組み込んだり、進行中のアイルランド大使館(東京)では日本とアイルランド国の架け橋になるような要素を組み入れた建築を模索中です。施主の厳しい依頼にどのように応えていくかが建築家の喜びかと思います。

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「職業奉仕について」

4月15日卓話要旨
地区職業奉仕委員長 比留間 孝司 氏
(東京武蔵村山ロータリークラブ)

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本日は伝統ある東京神田RCで卓話の機会を頂戴しましたこと御礼申し上げます。職業奉仕月間にちなんで、本来は昨年4月に地区研修協議会の部門別セミナーにて委員長として話す予定でいた内容を、少し膨らませつつお話ししたいと思います。
職業奉仕では、各人の職業倫理の向上、価値のある職業は相互に尊重すること、そして、各クラブにおいて、各人の職業上の手腕を社会に向けて発揮するためのプログラム・プロジェクトと会員の積極的な参加、という三つのポイントが挙げられます。  
まず申し上げたいのは、クラブの会員卓話やクラブフォーラムで積極的にご自身の職業のあり様を語って頂き、職業人としてのあり方を考える機会を持って頂きたい、ということです。
私自身を振り返ると司法書士という仕事柄、異業種交流会等にも参加しました。それはもちろん有意義でしたが、ただ、自分の心の奥に沈んでいるものをぐいっと引っ張り上げて自分のあり様を考えるような機会にはなりませんでした。
一方、ロータリーならではの「親睦」が私を鍛え育てくれたのではないかと思っています。米山梅吉翁は「ロータリーは人生の道場だ」と、又、パストガバナーはじめ諸先輩方は「例会は忙しい職業人が集まって一定の時間同じ空間を共有する、そこから得る something がある」と、仰っていました。
数年前、地区米山委員長を務めて以来、学友たちとはその後も交流の機会を持っていますが、香港の衛星テレビの東京支局長を経て大学の教鞭をとっている方曰く「自分にとってロータリーとは何だったのか。最近思うのは、限られた時間と空間の中に様々な職業観、社会観、人生観が凝縮されていること。その空間と時間が温和に反復継続されていくことで、そこにある職業観、社会観、人生観が研ぎ澄まされて深くなっていく。こういったものは案外あるように思えて他に無い。色々な人と話し、話を聞かせて頂いたこと。それがジャーナリストとして、教育者研究者としての自分の基盤を築いてくれた。」これはまさにロータリーにおいて
 職業が磨かれるということが、広く普遍性を持っているということだと思われます。
 時にロータリーの奉仕分野は一本の大きな木で語られます。根っこが親睦・会場運営・ロータリー情報も含めたクラブ奉仕。幹が職業奉仕、そこから上に伸びる枝葉が、社会奉仕・青少年奉仕・国際奉仕。一本の木の中で全てが有機的な関連を持っています。
そこで皆さんには、ご自身の立場からご自身のロータリーへの関わりやお考え、職業人でありなおかつロータリアンであることの喜びを忌憚なく語り合い、クラブ内で親睦をベースに共有して頂ければ、非常に有機的な、決して一人よがりにならず、地に足のついた血の通った職業奉仕論ができると思います。 
ポール・ハリスが著作にて引用する「インドスタンの6盲人」というエピソードがあります。これは目の不自由な方が象に触れた印象を6人6様に語ったという寓話ですが、1人1人正解であるがゆえ別の正解に気づかなかったり全体が見えなかったりすること、クラブフォーラム等で別の見方・考え方があることを積極的に受け入れ、自分自身をいかにアップデートしていくかという、今日的な課題として非常に示唆的な話です。
「各クラブにおける職業奉仕」としてまず出来るのは、そうした機会をプログラムとして各クラブで組んで頂くこと。それがスタートになるのではないかと考えています。
さて、地区委員会にはセミナー等を開催し、時代をとらえた問題提起の機会を提供する役割もあると考えています。2020年度はコロナ禍で1回でしたが、大阪の大学からお招きした社会思想学の教授にご講演頂きました。
CSR、SDGs等の今日的テーマをふまえながら、石田梅岩や石門心学からの先達の「思想」や「知恵」を取り上げ、コロナの時代だからこそ社会の困難な課題にどのような問題意識で取り組むべきか、一つの示唆を提示申し上げたつもりです。どんな状況であっても、「職業奉仕」はひきつづき私たちに無限の可能性をもたらすものと考えています。

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2021年4月21日 (水)

「新型コロナウイルスと社会奉仕」

4月1日卓話要旨
地区社会奉仕委員会委員長 茂木 正光 氏
(東京板橋セントラルロータリークラブ)

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   東京板橋セントラルロータリークラブの茂木です。神田RCで卓話をするのは、約10年ぶりです。本日は地区社会奉仕委員会の卓話ということで、当地区の社会奉仕の現状をお話しします。今後、社会奉仕事業を企画・運営する際にお役立て頂ければ幸いです。
 神田RCは気仙沼のボランティアと連携して、病院や高齢者施設に手作り防護服を寄贈するサポートをされています。支援される側が支援する側になって社会に貢献する、そのコーディネイトをロータリーが出来ているのは本当に素晴らしいことで、私も各所で紹介させて頂いております。
地区社会奉仕委員会の役割は、各クラブの社会奉仕事業がより活性化するよう、事例等を情報提供・共有することです。前年度は社会福祉協議会にヒヤリングを行い、地域の最新の課題・ニーズを収集し各クラブに共有しました。その時、キーワードとして出てきた言葉が「孤立」です。また、地域では課題・ニーズが多様化して、社会福祉協議会では対応が難しくなっているところも出てきています。
本年度、社会奉仕委員長として出した方針は「クラブとして地域の最新の課題やニーズを捉えていますか?」ということをお伝えすることです。ロータリーモーメントと言っても良いかもしれませんが、奉仕の実感を得られているロータリアンが多いほどクラブは活性化するのではないか、ひいては退会防止や会員増強に繋がるのではないかとも考えています。クラブによって地域も歴史沿革も予算や人員も全然違いますから、何をやればいいということはありませんが、地域の課題・ニーズを捉えていて、ありがとうと言ってもらえる、現場に行って大変な状況を知り、何かやれる事はないかと考える機会を作る。会員に奉仕の実感を得て頂くというのがクラブの社会奉仕委員会の役割ではないかと考えています。
 コロナ禍において、クラブによっては休会し、社会奉仕事業の話し合いが出来ない状況になりました。そこで、頑張っているクラブから情報を収集し、悩んでいるクラブにお伝えすべく地区社会奉仕委員会は動いております。昨年5~6月のアンケートでは、神田RCや紀尾井町RCが早い段階から対応していた一方、例会や理事会が開けないため決定できず、結局何もできなかったというクラブがありました。
9月には社会奉仕委員長を対象とするオンライン会議を開催しました。グループディスカッションにおいては、社会奉仕事業について話し合う機会が無くなっていることやイベント型の社会奉仕事業が開催できなくなっている等のお話がありました。当地区で行われているイベント型の社会奉仕事業(コンサートの主催や市民お祭りへの出店など)はほぼ全滅です。長年続けてきて思いが強いからこそ切り替えられず、結果として、本年度は社会奉仕事業が出来なかったというクラブもありました。1~3月のアンケートでは、昨年と比較して、マスクや防護服寄贈の支援から、社会的経済的影響を受けて困窮している家庭への支援等が増えています。とはいえ、引続きマスクや防護服が必要な保育所や医療機関もあります。寄付型の社会奉仕事業でも、会員が奉仕の実感を得られるよう進捗報告をする等も大事だと考えています。
 今後、「孤立」は深刻化するかもしれません。板橋区社会福祉協議会が事務局を担当された食品配布会に当クラブはお米の協賛を行いました。民生・児童委員や子ども食堂を運営するボランティア代表が来場者にお声掛けをしていました。お米自体にも感謝されましたが、それ以上に「地域の中で独りではなく、助けてくれる人達がいることに気づけました」という言葉を頂くことができました。
名護RCからはアンケートに「ただ単に、品物やお金を寄附するだけではなく、その現場をみて、どうしたらその環境を変えられるか、個々の家庭レベル視線での提案対策に協働していく、寄り添っていく、関わっていくことも大切ではないか」というコメントを頂きました。今後も、withコロナで何ができるのかを考えねばならないでしょう。また、クラブへ社会奉仕事業の進捗・成果を伝え続けること、社会奉仕委員長が頑張るだけでなく、会員の皆さんが状況を知り社会奉仕委員長を支えるような雰囲気作りも必要でしょう。
最後に、次年度、東京都からの要望でロータリアンが職業やビジネスマナーについて話す出前授業ができないか協議中です。是非ご協力頂ければと思います。

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2020年12月10日 (木)

「地域福祉と社会福祉協議会」

11月12日卓話要旨
千代田区社会福祉協議会  梅澤 稔 氏
(荻原 弘幸会員紹介)

20201112
   私は生まれも育ちも千代田区、末広町の銭湯の息子で、地域の皆様に大変育てて頂きましたので、恩返しのつもりで働いております。
本日は社会福祉協議会(社協)がどんな団体で、今何をしているのかお話し致します。現在、千代田区社協は全職員55名。「社協って何をするところ?」とか、区役所の一部署だと思われていること、地域包括支援センターとの違いがよく分からないと言われることもあります。社協は、戦後GHQから示された提案に基づき、既存の民税委員の団体などを母体に設立されました。福祉は国の責任で政策を作り、国民の生活を支えますが、GHQは国の支援だけではなく住民による福祉活動の展開を提案し、行政の救済からこぼれる人たちへの支援、子どもクラブや老人クラブの育成、戦争未亡人の対策、そして共同募金を社協で推進することを期待しました。社会福祉法にも、社協は地域福祉の推進を図る団体として位置付けられています。
区役所は法律(制度)に基づいて福祉サービスを提供するため、法律にないサービスは提供できません。株式会社やNPO等の民間事業者も福祉サービスを行っていますが、採算が合わないと持続できません。社協は行政も民間事業者も対応できない、制度の狭間で起きる福祉のニーズや困りごとを区民と一緒に考え取り組む団体です。虐待や育児不安など地域が抱える様々な生活課題に対して、社協は地域社会のプラットフォームになろうと考えています。
配食サービスのボランティアから相談を受けた事例です。「お弁当を届けると高齢者から電球交換など、ちょっとした困りごとの相談を受けるが、次の配達がある為お手伝ができない」とのことでした。そこで出来た仕組みが「困りごと24」です。高齢者が困りごとを社協に連絡すると、社協は登録している住民ボランティアに連絡して、お手伝いに行って頂くという仕組みです。夜間・日曜祝日は建設会社のコールセンターで受けて頂いています。地域の助け合いの推進役を社協が担っています。より具体的な取り組みを挙げます。
「ご近所福祉活動」 区内109の町会に福祉部の設置を提案し、見守りや交流などの助け合いの活動を呼びかけています。
「ふれあいサロン」 千代田区は65歳以上が11,000人位、一人暮らし又は高齢者世帯が約6割。高齢者が集える場所作りを始めて35か所。運営は地域のボランティアです。スターバックスコーヒーの方が珈琲の淹れ方や原産地のクイズをやったり、大学生が自分の得意なジャム作りで交流会を開いたりしています。若い世帯も増え、子どもたちが増えてきているので、子育で孤立しないよう集いの場づくりもしています。
「ふたばサービス」 まだ元気だけれど最近上手く掃除ができなくなった、といったホームヘルパー(介護保険)に頼めないような高齢者の困りごとを地域住民がサポート。一時間1300円の有償サービスです。子どもたちの学校や塾の送り迎えもします。登録している住民サポーターを社協がマッチングします。
「成年後見センター」 後見人に報酬を支払う財産がない方々には、社協が養成し、登録している区民に後見人になって支えて頂くという取り組みです。
「ボランティアセンター」 高齢者施設には多くのボランティアが関わって様々な活動をしており、その経費に神田ロータリークラブ様のご寄付を使わせて頂いています。これまで、ボランティアは9割が女性でしたが、最近は男性による“そば打ち”も。大学生のボランティアと一人暮らしの高齢者の方との “お茶飲み友達”などもあります。
「災害ボランティア」 大学と千代田区で協定を結んで学生ボランティアを養成。養成後は、防災訓練に参加して日頃から関係づくりをしています。東日本大震災の時には、千代田区とご縁のあった岩手県にも行きました。
最後に、「みんなが参加し、支えあうまちづくり」が、社協の大切にしているミッションです。住民の皆様、関係機関の皆様と連携して、千代田区で住み続けられるようにしていこうという取り組みをしています。「千代田区社会福祉協議会」を柔らかく読み解くと、千代田区「みんなで」、社会福祉という「みんなの幸せ」を、協議会「考える会」、すなわち、「みんなでみんなの幸せを考える会」でございます。神田ロータリークラブの皆様と手を携えて千代田区の生活の支えが出来たらと思っております。

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