« 2016年11月 | トップページ | 2017年2月 »

2016年12月27日 (火)

「こどもエコクラブについて」

11月24日卓話要旨
公益財団法人日本環境協会 常務理事 宇野 治 氏
(井上 貴夫会員紹介)
1

    「こどもエコクラブ」は、環境を通じて未来の子どもたちをきちんと育てていこうという取り組みで、ロータリーの社会貢献活動ともリンクするところがあると思います。この活動を行っている日本環境協会は、環境に関するいろいろな活動を行っている歴史の古い団体で、私はエコマークを担当しています。
 こどもエコクラブには、幼児から高校生まで誰でも参加できます。平成7年にスタートし、昨年で20周年を迎えました。「エコまる」というキャラクターとともに活動しています。参加するにはまず登録が必要で、子どもたちの自主的な活動を、われわれや地域の方などいろいろな方々がサポートしています。
 活動内容は地域や環境等によって全く異なります。例えば食べ残しをしないことも、一つの環境活動だと捉えています。一番多いのは自然活動や農業栽培、清掃活動などです。
 1年間の活動は、壁新聞を作って発表してもらいます。また、小さなクラブや家庭単位の活動は、1年を振り返って絵日記にまとめてもらっています。
 地域交流会や全国フェスティバルの形で、クラブ同士の交流も図っています。今年度の全国フェスティバルは早稲田大学理工学部の講堂で開催し、各自発表してもらった壁新聞の中から、面白かったものを子どもたちの投票で表彰しています。
 子どもたちがドングリを拾って育て、東日本大震災の被災地に植樹する「プロジェクトD」という取り組みを行っていて、岩手県の一部以外ほとんどが終了しています。また、子どもたちが農業体験を通して環境を学ぶ「いきものみっけファーム」を実施しています。これはいろいろなNPOなども行っている活動ですが、日本環境協会では田植えから刈り取り、場合によっては米の販売までを産官学でしっかりと行っています。
 私どもが全国事務局の役割を担っていて、各都道府県と市区町村にある地域事務局がこの活動をサポートし、コーディネーターを務めています。他にサポーターとして企業、団体、ロータリークラブなどにご支援いただく仕組みになっています。
 メンバーには、各家庭のほか、幼稚園・保育所、学校(学級・学年・学校単位)、放課後児童クラブ、企業・団体に参加いただいています。この活動の卒業生も結構多いので、オールジャパンユースエコクラブを組織し、ユースもきちんとフォローしています。
 文部科学省や環境省をはじめいろいろな方に指導・助言していただくためのアドバイザリーボードや、推進委員会、各企業といった支援体制があります。例えば中央区の環境センター内にもエコクラブを作って活動していますし、千代田区にもお願いする予定です。
 こどもエコクラブの登録形態は、学校が一番多くなっています。これは、熱心な学校の先生たちが課外教育等に生かそうと、サポーターになっていただいているからです。あとは家族・親族のクラブ、幼稚園・保育園、近所の友達の集まり、児童館・公民館、子ども会などです。イオンは各店舗のチアーズクラブのうち約100クラブが登録して、共に活動しています。メンバーの内訳は、高校生が約1%、中学生が約7%で、幼児と小学生がメーンになっています。
 企業にはCSR(企業の社会的責任)の観点から、パートナー会員の形で応援いただいていますが、ロータリアンとして応援していただくときにはきちんとしたルールを作り、一緒に活動できたらいいと思っています。これまでに協賛・協力いただいた企業・団体は60を少し超えた程度です。
 エコクラブの活動は子どもが主役であり、仲間と一緒に未来をつくっていく活動をわれわれが応援することで、地球を愛する心を培っていけたらいいと考えています。
 私が担当しているエコマークは平成元年に制定され、今の子どもたちは学校教育の中で教わっているので、ほぼ全員が知っています。世界には、エコマークのように第三者機関が中立公平に認証している環境ラベルが30ほどあり、約60カ国が同じようなマークを利用しています。その中で日本のエコマークも頑張っていこうと国際展開をしており、日本のエコマーク基準をパスすれば海外のマークも取りやすくなるようにしたいと考えています。現在一番多くエコマークが付いているのは、子どもたちがよく使う文房具です。最近は東京オリンピックを視野に、ホテルなどのサービス業への普及を図っているところです。

|

2016年12月16日 (金)

「ローターアクトとは~47年の軌跡と未来への一歩」

11月17日卓話要旨
第2580地区ローターアクト 地区広報委員会副委員長 小笠原 聡 氏
(金井 一成会員紹介)
1

   私は、東京浅草中央ロータリークラブに所属しています。ロータリアクトとして活動していると、「若いのになぜボランティア活動をしているの?」とよく聞かれるのですが、やはり楽しいからだと思います。どこのクラブに行ってもバッジ一つで交流でき、ボランティアを通じて同世代の仲間たちと出会えることが純粋に楽しく、それがロータリーの魅力だと思います。
 ローターアクトの目的は、将来の指導者を育成することです。「アクト(act)」には、主体的に運転する、回すという意味が込められています。ポール・ハリスはロータリーを提唱する際、輪番となってお互いの仕事の悩みなどを話しながら進めていったそうですから、ローターアクトも自分たちでぐるぐる回していくような活動ができたらいいと思っています。活動を通して、地域のNPOや住民、自治体の方たちがつながっていき、そのつながりを通してまた交流できるような新たな出会いをつくっていける場づくりができればいいと思っています。
 2010年、ロータリーの第5の奉仕部門として「新世代奉仕」が承認され、2013年に「青少年奉仕」という名称に変わりました。これは若い会員の獲得がターゲットの一つになっていると思います。青少年奉仕には、四つのプログラムがあります。一つ目はインターアクトクラブです。これは高校生を中心に14~18歳の若者が活動している団体です。二つ目はローテックスという青少年交換プログラム修了生による団体です。三つ目はRYLA(ライラ)プログラムです。これは1泊2日の合宿研修で、14~30歳のリーダーシップを育成するプログラムです。行われている地区と行われていない地区があります。四つ目がローターアクトクラブです。これは18~30歳の大学生や社会人などさまざまなバックグラウンドを持った若者が社会奉仕活動をしています。
 ローターアクトが日本で最初にできたのは1968年です。当初の狙いはインターアクトやローテックスを卒業したメンバーをフォローアップするための受け皿をつくり、奉仕の芽を育てていくことにありました。
 当地区のローターアクターの数は、2011~2012年は7クラブ、57名でした。全国的に見ると数がやや少なく、少し衰退していたように思いますが、2015~2016年には13クラブ、160名と2倍以上になりました。そして今年度現在180名ほどに増えています。近年は新しいクラブが毎年提唱されています。昨年は私が東京浅草中央ローターアクトクラブを立ち上げました。2580地区ではローターアクトの活気が少しずつ出てきています。ローターアクトは、手を挙げれば誰でも役職に就くことができます。私は現在、来年度のローターアクトの地区代表に立候補しています。女性で会長や地区代表を務めるメンバーも全国的に多くいます。
 ローターアクトの一つの特徴として、全国のメンバーとの交流があります。年1回の全国大会では、合宿して研修プログラムを行います。日本のローターアクトは現在300クラブ、会員数は3300人です。活動は大きく三つに分けられます。
 一つ目は、ロータリークラブや学校など地域社会の人々とのボランティア活動です。例えば当クラブでは前々年度から「福島フラガール支援プロジェクト」を行っています。また、「気仙沼仕事創出プロジェクト」も継続して行っています。
 二つ目はローターアクターのリーダーシップの育成活動です。多くのクラブでは、ロータリアンの皆さまを卓話の講師として招き、ローターアクターが聞くという卓話例会を開いています。
 三つ目はローターアクター同士の交流活動です。ローターアクターは全国大会に加え、海外のローターアクトとの交流イベントも多く行っています。アジア太平洋地域ロータリーアクト会議(APRRC)ではアジアのローターアクターが年に1度集まって活動します。今年は5月に京都で行われ、700名ほどが参加しました。また、全国研修会は年に1回、33地区持ち回りでホストを務め、育成プログラムを運営しています。今年は2750地区がグアムで来年2月に行う予定です。
 私は一昨年、気仙沼に行き、地域の人から「インフラや生活設備が壊れたときに大切なのは、隣の人たちとの連帯だ」と聞きました。私は、ローターアクトがそのつながりの場づくりをしていきたいと考えました。これからも楽しみながら、ロータリーのロゴマークである歯車を回し続け、地域社会の交流の場づくりをしていきたいと思います。

|

2016年12月 7日 (水)

「ロータリー財団100年の意義」

11月10日卓話要旨
地区補助金委員会 委員 八木 敏廣 氏
(玉木 勝会員紹介)

1_3

 東京神田ロータリークラブには昨年度(昨年7月~今年6月)、124万円のご寄付を頂きました。1人当たりに換算すると、約2万3000円です。皆さまに感謝申し上げます。また、地区補助金を毎年ご活用いただいていることにも感謝申し上げます。
 本年度のジョン・ジャームRI会長のテーマは「人類に奉仕するロータリー」で、ロータリー財団100周年にそぐうテーマだと思います。財団は、1917年のアトランタ国際大会におけるアーチ・クランフRI会長(当時)の提案によって設立されました。その使命は、人々の健康状態を改善する、教育への支援を高める、貧困を救済することによって、世界理解、親善、平和を達成することです。皆さんの行為の一つ一つが大きな成果につながります。「バタフライ効果」といわれるように、幾つかの物事が連鎖して相乗効果を生むのです。
 財団の収支は、1ドル=100円と換算すると、年次基金が123億円、ポリオプラス基金が29億円(ビル・ゲイツ財団から69億円の支援が入るので計98億円)、恒久基金が20億円、その他が28億円で、計269億円です。これに対し、収入の92%を財団プログラムの運営費に支出しています。主な支出は、ポリオプラスに123億円、グローバル補助金に65億円、地区補助金に24億円、プログラム運営に21億円、寄付推進に16億円、その他に12億円、一般管理費に5億円で、計266億円です。
 われわれ2580地区の寄付実績は、2014~15年度が約4500万円、2015~16年度が約5000万円です。地区の会員が3000名なので、1人当たり約1万7000円の寄付を頂いていることになります。中央分区の平均は約2万2000円です。
 2580地区の収支については、前年度は3年前の年次基金への寄付総額の半分1700万円と、恒久基金運用益の半分300万円に、当地区の前期繰越金1500万円を加えた約3500万円が使用可能でした。支出では、地区補助金としてプロジェクト23件と奨学生2名に約1000万円を配分しました。グローバル補助金として約600万円が奨学生3名に配分され、プロジェクトは0件でした。ポリオプラス基金に420万円、平和フェローシップに250万円寄贈し、支出合計は約2300万円でした。収支差額の約1200万円は次年度に繰り越しました。
 財団が進めている主なプログラムは、ポリオ撲滅、ロータリー平和フェローシップ、補助金プログラムの三つです。
 ポリオ撲滅については、今年は21人にまで発症者が減りましたが、丸1年発症がなかったナイジェリアで再び3件発症しており、絶滅はなかなか難しい状況です。引き続きポリオプラス基金に1人3000円の協力をお願いします。
 ロータリー平和フェローシップは、世界各地で平和の推進者となる人材を育成するための奨学金制度です。長期コースは修士号取得を目指して2年間学び、3カ月の実地研修を受ける50名のコースで、世界の5大学に設置されています。日本では国際基督教大学で毎年10名ほどが学んでいます。短期コースは、既にこの分野の経験があって、スキルアップを図る社会人50名のコースです。タイのチュラロンコーン大学で3カ月学んだ後、3週間の実地研修を受けます。
 補助金プログラムは、各地区会員の寄付が原資です。3年前の寄付の約半分が地区に返ってきます。補助金は地区補助金とグローバル補助金の2種類に分かれ、どちらも人道的プロジェクトと奨学金に使用できます。地区補助金のプロジェクトは2016~17年度に23件実施される予定で、大きく分けて物品寄贈、設置、催しの3タイプがあります。
 グローバル補助金のうち、人道的プロジェクトは実施国と援助国のクラプが協力して行う総額300万円以上の大規模な奉仕活動で、内容はロータリーの六つの重点分野(平和と紛争予防・解決、疾病予防と治療、水と衛生、母子の健康、基本的教育と識字率向上、経済と地域社会の発展)に限られます。奨学金も、専攻分野は六つの重点分野に限られます。
 今年度は財団100周年であり、財団100周年記念シンポジウムが11月27日に開催されます。シリア、スーダン、パレスチナなど、国際人道支援の第一線で活躍する財団の学友を日本に呼び戻し、活動報告や討論会を開催する予定です。また、来年の国際大会は、財団が設立されたアトランタで6月に開催されます。皆さまのご参加をお待ちしています。

|

「私の夢は東京オリンピックで国歌斉唱することです!」

10月27日卓話要旨

新潟県立新潟盲学校 中学部3年  佐藤 ひらり氏
(浜田 章男会員紹介)

1_2

曲 目

1. みらい
2. 上をむいて歩こう
3. 少年時代
4. 川の流れのように 
5. Get in touch!
6. アメイジング・グレイス

|

「高齢化社会を楽しく生きる-特養での経験から学んだもの」

10月13日卓話要旨
元特別養護老人ホーム「マイホームきよはら」施設長 山口 直樹 氏
(内藤 勝弘会員紹介)
1

 私は以前、東京YMCAの中央ブランチに勤めていて、その後は老人ホームにも勤務しました。現在は、国立市の介護認定審査会や教育委員会などにも関わっています。
 今の日本の一番大きな問題は高齢化です。昨年のデータでは、65歳以上の高齢者の割合が26%を超えました。しかし、今の60代はとても元気なので、一般的に75歳以上を高齢者と捉えて考えた方がよいと思っています。現在、75歳以上が約1600万人で、10年後には2300万人弱、2050年には2400万人弱になるといわれています。2050年までは75歳以上の人口は増え続けます。このことを考えていかなければなりません。
 私が老人ホームの現場にいた2000年前後は、社会福祉の基礎構造改革が行われ、いろいろなことが変わりました。介護保険制度も2000年4月からスタートしました。それによって高齢者福祉のありようが変わり、今はその制度の中で動いています。介護保険をどううまく利用していくのかということがポイントだと思います。
 国が今最も気にしているのは、今後保険制度をどう維持していくかということです。要介護度が軽い人を介護保険から外し、将来的には重い人だけを介護保険の対象にしていくという議論もあります。そうすると、市区町村がそれを全て担うことになるわけです。そこで、地域包括ケアシステムという考え方が随分前から出ていて、施設に頼るのではなく地域全体で見ていく取り組みが検討され始めています。いろいろな問題がありますが、自分で自分のことを守っていくしかないというのが一つの方向性だと思います。
 特別養護老人ホームは、介護が必要で、家では生活できない方のための施設です。今では非常に入りにくくなり、要介護4~5という状況の厳しい方が何十万人もウエイティングしていて、東京だけでも数万人います。
 私は宇都宮市の特別養護老人ホームで仕事をしていたとき、いろいろな経験をしました。認知症の方の行動を見ていると、その人が過ごした人生を垣間見るような気がしました。ある女性は、半年以上前から「お楽しみプログラム」で美川憲一さんのショーを見に行くのを楽しみにしていました。だんだん体が弱って厳しくなっていたのですが、何とかショーを見に行くことができ、プログラムから4日後に亡くなられました。
 ある90代の女性はそろそろ危ないと思われていたのですが、一番の心配の種だった息子さんが面会に来ると顔つきが変わり、それから半年ぐらいは生きておられました。このように、お年寄りは全て分かった上で行動されているのではないか、自分の死ぬ時期を決めているのではないかと感じることがありました。
 私は仕事で疲れたときやストレスがたまったときには、お年寄りの中に入っていくことで癒されました。お年寄りにはそういう力があると思います。老人ホームを利用するお年寄りは人生の先輩であり、いろいろなものを持っている方なのだと思って関わり出したとき、学ぶことがたくさん出てきたのです。教育も同じで、先生が子どもたちから学ぶ姿勢を持ち始めた途端、教育は変わると思います。認知症の方は全て分かって行動しているのだと思って接すると、見え方が違ってくると思います。
 老人ホームにいて感じたのは、お年寄りと一緒にご家族の顔が見えると、とてもケアしやすいということです。ご家族も、困ったときに施設に相談できる関係だと、とても安心だと思います。在宅で介護するケースもどんどん増えています。私も3人の親を自宅で看取りましたが、そのときに感じたのは、介護する側がいかに手を抜いて介護するかということです。介護保険をうまく使うことも大切ですし、もう一つは、介護する側、お年寄り側のストレスがお互いに伝わると、両方でどんどんストレスが高まって大変になるので、それをいかに工夫するかということです。われわれが当事者になったとしても、楽しむ余裕ができたらいいと思います。
 生きることの楽しさを落ち着いてゆっくり考えてみることが、日本にとって特に必要になってきていると感じています。競争社会でばんばん進んでいくだけでなく、一度立ち止まって、「今のままでもいいのではないか」「一歩引いて生活してもいいのではないか」というふうに、幸せを感じられる社会になればいいと思います。

|

« 2016年11月 | トップページ | 2017年2月 »