「こどもエコクラブについて」
11月24日卓話要旨
公益財団法人日本環境協会 常務理事 宇野 治 氏
(井上 貴夫会員紹介)
「こどもエコクラブ」は、環境を通じて未来の子どもたちをきちんと育てていこうという取り組みで、ロータリーの社会貢献活動ともリンクするところがあると思います。この活動を行っている日本環境協会は、環境に関するいろいろな活動を行っている歴史の古い団体で、私はエコマークを担当しています。
こどもエコクラブには、幼児から高校生まで誰でも参加できます。平成7年にスタートし、昨年で20周年を迎えました。「エコまる」というキャラクターとともに活動しています。参加するにはまず登録が必要で、子どもたちの自主的な活動を、われわれや地域の方などいろいろな方々がサポートしています。
活動内容は地域や環境等によって全く異なります。例えば食べ残しをしないことも、一つの環境活動だと捉えています。一番多いのは自然活動や農業栽培、清掃活動などです。
1年間の活動は、壁新聞を作って発表してもらいます。また、小さなクラブや家庭単位の活動は、1年を振り返って絵日記にまとめてもらっています。
地域交流会や全国フェスティバルの形で、クラブ同士の交流も図っています。今年度の全国フェスティバルは早稲田大学理工学部の講堂で開催し、各自発表してもらった壁新聞の中から、面白かったものを子どもたちの投票で表彰しています。
子どもたちがドングリを拾って育て、東日本大震災の被災地に植樹する「プロジェクトD」という取り組みを行っていて、岩手県の一部以外ほとんどが終了しています。また、子どもたちが農業体験を通して環境を学ぶ「いきものみっけファーム」を実施しています。これはいろいろなNPOなども行っている活動ですが、日本環境協会では田植えから刈り取り、場合によっては米の販売までを産官学でしっかりと行っています。
私どもが全国事務局の役割を担っていて、各都道府県と市区町村にある地域事務局がこの活動をサポートし、コーディネーターを務めています。他にサポーターとして企業、団体、ロータリークラブなどにご支援いただく仕組みになっています。
メンバーには、各家庭のほか、幼稚園・保育所、学校(学級・学年・学校単位)、放課後児童クラブ、企業・団体に参加いただいています。この活動の卒業生も結構多いので、オールジャパンユースエコクラブを組織し、ユースもきちんとフォローしています。
文部科学省や環境省をはじめいろいろな方に指導・助言していただくためのアドバイザリーボードや、推進委員会、各企業といった支援体制があります。例えば中央区の環境センター内にもエコクラブを作って活動していますし、千代田区にもお願いする予定です。
こどもエコクラブの登録形態は、学校が一番多くなっています。これは、熱心な学校の先生たちが課外教育等に生かそうと、サポーターになっていただいているからです。あとは家族・親族のクラブ、幼稚園・保育園、近所の友達の集まり、児童館・公民館、子ども会などです。イオンは各店舗のチアーズクラブのうち約100クラブが登録して、共に活動しています。メンバーの内訳は、高校生が約1%、中学生が約7%で、幼児と小学生がメーンになっています。
企業にはCSR(企業の社会的責任)の観点から、パートナー会員の形で応援いただいていますが、ロータリアンとして応援していただくときにはきちんとしたルールを作り、一緒に活動できたらいいと思っています。これまでに協賛・協力いただいた企業・団体は60を少し超えた程度です。
エコクラブの活動は子どもが主役であり、仲間と一緒に未来をつくっていく活動をわれわれが応援することで、地球を愛する心を培っていけたらいいと考えています。
私が担当しているエコマークは平成元年に制定され、今の子どもたちは学校教育の中で教わっているので、ほぼ全員が知っています。世界には、エコマークのように第三者機関が中立公平に認証している環境ラベルが30ほどあり、約60カ国が同じようなマークを利用しています。その中で日本のエコマークも頑張っていこうと国際展開をしており、日本のエコマーク基準をパスすれば海外のマークも取りやすくなるようにしたいと考えています。現在一番多くエコマークが付いているのは、子どもたちがよく使う文房具です。最近は東京オリンピックを視野に、ホテルなどのサービス業への普及を図っているところです。
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