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2017年10月27日 (金)

「ロータリー財団月間に因んで」

10月5日卓話要旨
地区補助金委員会委員 浜田 章男 氏
(玉木 勝会員紹介)

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   今日は地区補助金委員会副委員長の松林 茂さんに応援に来ていただいて、大変心強くお話ができます。自分がクラブ会長の頃は「財団は集金マシーン」と嫌味を言っていましたが、立場が変わったので「浄財ボックス」ということにします。
ロータリー財団は設立100周年を迎え、当地区では改めて「はじめの一歩」と位置付けています。神田RCからは前年は約1万ドルの寄付を頂きました。アーチ・クランフさんの提唱で財団という基金が創られて、今年のアトランタ大会では100歳パーテイーで皆でケーキを食べましたが私は食べ損ねてしまいました。昨秋の記念シンポジウムにはしっかり参加しています。
財団の使命に沿い皆が協力すれば小さな行為でもバタフライ効果によって大きな成果につながります。新都心RCのネパールでの沢山の井戸の設置も、ゆくゆくは村や国の繁栄につながることになります。 
さて、財団への寄付金は世界で年270億円で収支はきわめて健全です。年次基金が約半分、ゲイツ財団からの援助が約1/4です。一人当たりでは16,000円となります。RIとの全体では1,000億円を超える資産で専門家も交えて投資にまわされておりチャリティナビゲータで満点の評価を得ています。
100周年度には募金目標3億ドルを超えました。主要なプログラムは3つですのでシステムは判り易いです。
ポリオについてはワクチンで免疫をつくるのが最善の予防です。生ワクチンは熱に弱いので管理・運送も大変です。パキスタンでは駅などで子供を見つけるとすぐに投与することも行っています。イスラム圏では「子供の口に薬を入れる」こと自体拒否されることも多かったそうで苦労が続きました。活動はWHO、ユニセフ、CDCも協力し合ってきています。アトランタ大会では日本政府からも5,500万ドルの寄付が約束されました。発症地域は限られてきましたが徹底撲滅しないと再び20万人が発病します。皆様の寄付を宜しくお願いします。
東京麹町RCの山田ツネ氏と峰英二氏によってこの活動が財団の事業として取り上げられました。インドでの惨状を見て免疫プロジェクトを提唱しRIに訴え、現地で奉仕活動を続けましたが、不幸にも病原菌に犯されて他界されました。当地区の皆様には記憶にとどめておいて頂きたいと思います。
 平和フェローシップは、今、50か国以上の国際紛争のある中で、平和の推進者の人材を育てる奨学金制度です。6大学で学ぶ候補者を選抜します。日本ではICUで毎年10名が学んでおり、短期はタイの大学でして、即戦力としてユニセフ上級職で活躍中です。ICUの学生のカウンセラーとして、東京青梅RC・東京北RC・東京練馬西RC・東京ベイRCの会員方が目立たないところで奉仕していただいています。一人20ドルの寄付にご協力を下さい。
 補助金プロジェクトは8年間で61クラブが活用してきました。100件を超え4,200万円が使われています。3年前の寄付の半分が地区に戻ります。小規模な活動で最大40万円まで。
神田RCでは被災地の幼児園などの支援をしてきました。プロジェクトは主に3つに分類でき、ミシン・卓球台寄贈や、ブランコ・浄水器設置、母子支援・いじめ防止イベントなど。お役所と相談するクラブも多いようです。承認まで1年かかるので最初の年はクラブ自費で実行して次の年に補助金を使う方法もお薦めです。
 グローバル補助金は総額3万ドル以上の活動に対してで、神田RCは4年前に台湾安和RCの麻薬撲滅活動に協力しました。日本が途上国を支援しているケースが多いようです。東京新都心RCの例・奨学金の例をご覧下さい。
 当地区の寄付は前年度67万ドルで、89年以降では2番目でした。年次基金76%が多く、4つの基金ではポリオやフェローの理解が足りないようです。図の黄色い線を短くできるように協力を願います。表彰制度もありますし、税制の優遇もあります。最後に時間を残しましたので、松林副委員長にご挨拶を頂きます。

【地区補助金委員会 副委員長  松林 茂 様】
補助金委員会では申請を選別することはなく、できれば全て承認して援助をしたいと考えでおります。過去の皆様の寄付から補助するのですから、自分たちのお金を使うと考えていただいて、積極的に申請をして頂きたいと思います。

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2017年10月16日 (月)

「IoTとは何か-我々の生活をどう変えるか」

9月21日卓話要旨
清水 宣夫会員((株)システムコミュニケーションズ 相談役)
(石澤 長―郎会員紹介)
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 IoT(モノがインターネットにつながること)の発達とともに、私たちの生活は大きく変わってきています。中でもアマゾンボタンは、IoTの最も原始的な形として脚光を浴びています。ボタンの前面には洗剤などの商品名が書かれていて、裏面はマグネットで冷蔵庫などに貼れるようになっています。洗剤などが切れたときにボタンを押せば、オーダーがアマゾン本社に通信され、宅配してくれる仕組みで、店舗へ買い物に行かなくても済むようになります。
 車の世界も大きく変わっていきます。今のワイパーは雨の降り方によって速さを調節できますが、その速さのデータをセンターに集めることで、この地域ではどれぐらいの雨が降っているかという正確なデータを得ることができます。また、道路の混雑状況も、車の速度によって正確に把握されるようになります。今年秋に発売されるレクサスには、事故を起こした衝撃で自動的に救急センターに電話を入れられる技術が搭載されます。
 メンテナンスに関しても、車の走行量や走行状況、ブレーキの摩耗、エンジンの具合、燃料の消費状態のデータを整備工場に送ることで、1台ごとにAI(人工知能)で分析し、整備が必要かどうかといった車の状況を所有者に送ることができます。すると、車にそうしたシステムが全てくっついているので、ディーラー以外の整備工場のほとんどは10年以内につぶれるかもしれません。世の中は進歩すればするほど、仕事がなくなって格差が広がり、二極分化していくのではないでしょうか。
 さらに、走行状況のデータが全て損保会社に入っていくようになれば、保険料は個別に決められることになるでしょう。ですから、ビッグデータの解析をできない損保会社はつぶれると思います。また、個別の運転状況が車内外の搭載カメラによって全て把握されるので、警察の事故処理の正確性も向上し、事故歴のある人や高齢者への運転免許の交付も画期的に変わると思います。このように車の世界は激変していくので、トヨタなど世界の主要メーカーは、自動運転は一つの方向にすぎず、コネクテッドカー(つながる車)の時代になると見ています。
 それとともにカーシェアリングが普及していくでしょう。アメリカのUberという会社が運転代行で急成長していますが、日本では運転代行者の運転技術が保証できないことや事故を起こしたときの責任の所在がはっきりしないことから、政府の許可が下りていません。しかし、日本でこのようなサービスが導入されれば、不動産市場に大きな変化が起こるかもしれません。アメリカでは、Uberによって安価で車を借りられるため、郊外でも良い物件には良い値段が付いています。
 ヘルスケアの分野では、トイレに付けた機器が便や尿を自動的に分析し、そのデータを医者に直接送るものも試作されています。また、家庭で血液を採取・分析して、そのデータを医者に送る機械も実用化寸前です。JINSという会社は、眼鏡の中にドライアイを防ぐための水のタンクを仕込み、自然に目の中に蒸気を出す仕組みを作り、急成長しています。また、ランニングやウオーキングなどで使うリストウオッチ型メディカルデータ送信機も作られています。
 住宅の分野では、スマートフォンと鍵を連動する仕組みが出てきています。例えば子どもがスマホで親に帰宅したことを知らせれば、親がスマホで鍵を開けることができます。鍵を子どもに預ける必要もなくなり、鍵を忘れることもありません。
 ファッション業界は通販が全盛ですが、通販では品番やサイズ、色などのデータが入った5~10円のシールを商品に貼ることで、在庫管理の必要がなくなります。エアコンも日照量に合わせて調節してくれるものが出ていますし、お風呂もスマホで準備できるようになります。このように家電が全てIoT化されると、家電は別個にあるのではなく、家庭内に設置されたコントロールセンターが総合的に管理するようになります。
 IoTの課題としては、偽物やなりすましの防止があります。本人認証には指紋や虹彩が使われてきましたが、指紋用フィルムやカラーコンタクトの登場で駄目になり、現在は手の静脈認証が考えられています。アメリカでは究極の手段として人間にマイクロチップを埋め込む方法が考えられています。そうなれば100%完全な管理社会の到来となり、自由度はゼロになってしまいますが、もしかしたらそういった方向に進んでいくかもしれません。

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2017年10月 3日 (火)

「2020東京オリンピック・パラリンピックを見据えて」

9月7日卓話要旨
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事 米村 敏朗 氏
(纐纈 公夫会員紹介)
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    私は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の理事兼CSO(チーフ・セキュリティー・オフィサー)として五輪のセキュリティー全般を統括しています。セキュリティーの問題は、基本的に全てのロジスティクスに関わってきます。2013年9月7日に東京五輪の開催が決まり、10月28日はちょうど1000日前となるので、もう間近だという感じがします。
 東京五輪は1964年以来、まさに56年ぶりの開催となります。1964年の参加選手は163種目、5152人でしたが、2020年は現時点で339種目、1万1090人ですから、ちょうど2倍です。にもかかわらず、大会期間は1964年が15日間であるのに対し、2020は17日間と2日間しか長くありません。その短い期間中にこれだけ多くの競技をセットするのは大変な作業です。
 私の仕事のメインは警備です。1972年のミュンヘン五輪ではイスラエル選手が人質となる事件があり、1996年のアトランタ五輪では爆弾テロ事件がありました。最近のテロ情勢も踏まえ、警備に対するIOCの要求はかなりレベルが高く、今では競技会場はことごとくフェンスで囲み、来場者はセキュリティーチェックをするのが通例になっています。
 一方で、2020年の東京五輪は、コンパクトに開催すると言いながら、地方会場がどんどん増えています。現在、39会場中16会場が東京都外での開催になりました。過密都市の東京で、多くの競技をスムーズに行うのはもともと至難の技だったからです。
 五輪の警備を考える場合、やはりリスクに対してどう対応するかを考えなければなりません。例えば会場にしても、来場者はもちろん、そこへ入ってくる車、荷物、貨物などの全てがセキュリティーチェックの対象になります。1万1000人を超える選手に加え、約30万人の関係者や約2000万人の観客をどうコントロールするかが重要です。
 特に一般の人たちにどうスムーズに会場に入ってもらうかという問題があります。日本の7月24日から8月9日までは酷暑の季節であり、暑さ対策は非常に厄介です。リオデジャネイロ五輪でも、入場に1時間待ちはざらでしたが、日本ではさらに厳しい状況が考えられます。そこで、新しい技術を使って精度を高めながら、スピーディーなセキュリティーチェックの実施を検討しています。
 また、大会運営は、コンピュータへの依存度を高めています。近年の大会では、様々なサイバー攻撃が必ず問題になっています。組織委員会では、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を既に立ち上げていて、徐々に体制を強化しつつあります。
 私は、セキュリティー面について一般の人たちにあらかじめ知っていただく必要があると思います。例えば会場に入る際、手荷物をどの程度にするかなど、いろいろな問題があります。もう一つ大きいのは、突発的な豪雨が発生したときに、会場にいる人たちの安全をどう確保するかという問題です。また、中止になった競技をどこで実施するかという予備日の問題も深刻です。
 オリンピックの最も重要な要素は各イベントがしっかり行われることですが、そのためにはセキュリティーが問題なく確保できることに加え、選手と物の膨大な移動をどう確保するかという問題が非常に大きいです。  私たちは築地市場が移転後、環状2号線を地下に通して五輪会場に人を円滑に運ぶ構想でしたが、断念しました。現在、都知事を中心にいろいろなことを考えています。
テロ対策の最大の眼目は、未然防止です。2001年の9.11米同時多発テロでは、テロに関わる人物の不審情報が事前に幾つもありましたが、その情報が活用されなかったことがテロを防げなかった大きな原因だと思います。一方、日本では6月に組織犯罪処罰法が改正されました。徴表行為を事前に把握することは難しく、結局は情報がないと、なかなか未然に手を打てません。
この1000日間でやるべきことはたくさんあります。課題を何とか解決して、しっかりした五輪にしたいと思います。リオ五輪はバックヤードでたくさん問題がありましたが、終わってみるとグレートサクセスでした。それはやはり選手が生んだ感動があったからです。五輪の感動は、世界中の人が共有するものです。その感動をしっかりと担保できる五輪にしたいと思っています。

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