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2017年12月 8日 (金)

「児童養護施設18歳の巣立ち応援」

10月19日卓話要旨
特定非営利活動法人プラネットカナール 理事長 鈴木 邦明 氏
(金井 一成会員紹介)

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   われわれは、児童養護施設を巣立つ18歳の若者たちを支援する活動をしています。具体的には、要らなくなった一人暮らし用の家電や家具を集めて、アパート暮らしを始める若者に届ける活動です。今の児童養護施設は、親がいない子どもは1割少ししかおらず、虐待やネグレクトで親元にいられない子が6割以上を占めます。その他、親が障害を持っていたり入院していたりという理由で入所している子もいます。全国に600強の施設があり、都内には55施設あります。
 子どもたちは、18歳になると施設を出なければなりません。昨今、大学に進学した子は20歳まで居られることになりましたが、施設に空きが少なく、シェアハウスや寮から大学に通っている者がほとんどです。施設を出ていく子には国から支度金7万7000円が支払われ、都からも若干の補助が出ます。しかし、蓄えもない彼らにとってはとても大変な旅立ちです。
 全国で毎年2000人が巣立ち、1施設当たり平均3.5人です。夢もあれば不安もある普通の18歳ですが、決定的に違うのは、いざというときに頼る家庭がないことです。精神的にも経済的にも非常にきついと思います。失敗している子も非常に多く、自立援助ホームというシェルターのような所に入ってもう一度やり直す子も最近増えてきました。今どきの若者ですから、会社に行って怒られると出社拒否になって給料が入らなくなり、家賃が払えなくなってホームレスになってしまう若者が2~3割います。そこから立ち直る子どももいますが、女性なら風俗へ行ってしまうなど、悪い人のターゲットになりやすいのです。
 巣立つ前にいろいろな研修を実施していますが、今の若者ですから右から左で必要な知識が身に付かないまま、社会に出てしまいます。また、親子関係が繊細で微妙なため、私たちが中途半端に立ち入れません。そこで、明らかにニーズがあって、私たちができることに徹しようということで始めたのが、一人暮らし用の家電家具を贈る活動です。
 これは、彼らは本当に喜びます。贈っているのは、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・テレビ・炊飯器・掃除機が基本で、その他にニーズが高いものとしてドライヤーやアイロン、扇風機があります。家具は、プラスチックケースやカラーボックス、収納チェスト、こたつ、座卓などが重宝されます。鍋やフライパンも喜ばれます。その他、DVDやノートパソコンのニーズが高いですが、ほとんど集まっていません。
 一方、私たちの周りには、一人暮らしの人が大学卒業・結婚・転勤などで、家電や家具が不要になる人が大勢います。テレビ、パソコンなどを買い替える人も結構います。また、リフォームや新築のため、断捨離をする人もいます。こうして不要になった家電や家具は、使用年数が短く、良いものが多いのです。皆さん、もったいないと思い、使ってもらえるものなら寄贈したいと考えています。ただ、どうしていいか分からず、洗濯機や冷蔵庫の処分に1台5000円ずつ費用を負担しても、処分しているのが現状です。
 家電や家具を必要としている人と、処分に困っている人の間をつなぎ、地域で保管して、年に1回クリーニングして、まとめて配送するのがわれわれの活動です。今年は12人を支援しましたが、来年は30人ぐらいを支援する予定で、近隣施設も合わせて継続的に支援していきたいと思っています。
 皆さまには寄贈の呼び掛けと寄贈者の紹介にご協力いただければと思います。引き取り保管や在庫管理はわれわれで行います。贈呈前半日の寄贈品クリーニングに参加いただければ、うれしいです。贈呈主として贈呈式に参加いただいたり、卒業生やボランティアとの懇親会にも参加いただけます。子どもたちとの継続的なネットワークにも参加してください。今年から首都圏物流さんが全面的に贈呈日の配送を支援してくださるようになり、事故の心配もなくなりました。ただ、千葉などにある保管場所に持っていくまでのつなぎの場所が都心に欲しいと思っています。会社の隅でも貸していただければ本当にありがたいし、トラックや軽トラやバンも貸していただければ本当に助かります。
 私どもは地域で活動している方をお手伝いする立場であり、お金がかからないロールモデルを提供することに意義を見いだしています。どんな形でもいいので、皆さまとご一緒に活動する方法を探っていけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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