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2018年3月12日 (月)

「千代田区の福祉の現状と地域包括ケアについて」

2月15日卓話要旨
千代田区社会福祉協議会 地域協働課長 梅澤 稔 氏
(小林 勝義会員紹介)
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   千代田区の人口は昨年10月1日現在、5万9788名と増えており、高層マンションの建設で特に15~64歳、0~14歳の人口が増えています。ただ、子どもたちが独立した後、両親が区内に残り、パートナーが亡くなられるなどの理由で一人になられる方が非常に多くなっています。また、居住年数が5年未満の方が37.4%と多いことが、コミュニティー形成の大きな課題となっています。国では、高齢者だけの世帯や一人暮らしの高齢者世帯の生活を地域の皆さまに支えていただこうと、福祉教育の充実を進めています。千代田区では、学校において車いすやアイマスクの体験、ゴーグルを着けての高齢者の疑似体験などの授業を行っています。
 しかし、東日本大震災以降、ボランティアの人数は増えていても、ご近所の方の生活を手伝うようなボランティアの数はそれほど多くありません。また、高齢化でボランティアを辞めてしまう方も増えています。企業の社会貢献活動も活発になっていますが、多くの人が一つの場所でできる活動を紹介してほしいという企業の要望にすぐに応えるのは難しい状況です。一方、マンション居住者の4割が町会やボランティアの活動に関心を持っているというデータもあります。関心のある人たちをどうボランティアにつなげていくのかが区の大きな課題となっています。
 地域の支え合いやボランティア活動が重要になるのは、福祉制度のニーズが多様化しているからです。2000年に介護保険制度が始まって以降、介護サービスを受けたい方が増えていますし、ひとり親家庭や家庭内暴力などの問題も増えています。それから、持ち家はあっても生活費がないという生活困窮者も区内にはいます。そういう人たちを問題が深刻化する前に発見することも課題の一つです。
 区では、災害時の要介護者名簿を民生委員にお渡しし、見回りをお願いしていますが、手上げ方式なので、名簿掲載を希望しない方は情報が表に出ません。また、区職員1000名のうち、区内在住者が少ないため、夜間や休日に災害が起きるとすぐに対応できないことも問題です。また、過去の大災害の経験から、区内の大学や企業と区民との相互支援についても検討が求められます。社会福祉協議会では区内の学生団体と協定を結び、災害時の支援をお願いしています。区には福祉避難所が4カ所設けられていますが、このたび旧区役所跡地にできた「かがやきプラザ」も福祉避難所に指定されました。ただ、該当者をどのように福祉避難所に送るのか、どのようにサポートをするのかは検討が必要です。
 国では、医療と介護、生活支援・介護予防を一括して提供する地域包括ケアの構築を提唱しています。区には高齢になってマンション居住を選ぶ人も多いのですが、今まで住んでいた環境と違うため孤立している方も多いのです。食事や掃除、日常の生活費の支払いなどを自分でできなくなった人への支援も必要になります。また、介護予防も個人では難しいことです。国は生活支援や介護予防を、老人クラブ、自治会、ボランティア、NPOなどに担ってもらうことを期待しています。2025年には団塊世代が全員後期高齢者となり、増大する介護保険の財源が大きな問題となります。介護サービスのニーズの多様化と介護人材の不足が予想されることも地域包括ケア推進の背景にあります。
 区の介護予防の取り組みとしては、シルバートレーニングスタジオを多く整備し、かがやきプラザ内に高齢者活動センターを設けて、生きがい・仲間づくりを進めています。それから、介護サービスを開発して、外出サポートなど多様化するニーズに応えようと考えています。それから、自助・互助の推進に向けて町会内に福祉部をつくり、日頃から見守りや声掛けをしたり、茶話会を開いたりしてもらっています。1時間1000円で住民が家事援助を行う「ふたばサービス」も行っています。また、神田ロータリークラブのご支援で、施設におけるボランティア活動も進めています。人材確保に関しては今年度、区内の介護専門学校2校と協定を結び、学生のときから区内で実習やボランティアをすることで、区内の施設・事業所への就職を促しています。
 福祉活動に地域住民が関わってもらうためには「我が事・丸ごと」となることが必要です。神田ロータリークラブの皆さまと連携する取り組みができたら、またご相談したいと思います。

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