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2018年9月11日 (火)

「日本とニュージーランド:素晴らしいパートナー」

6月21日卓話要旨
駐日ニュージーランド大使 スティーブン・ペイトン 閣下
(多田 宏会員紹介)
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   私が妻と共に初めて日本を訪れたのは1984年のことです。私はその後、東京のニュージーランド大使館で二等書記官として務めました。当時はバブル経済で、東京は活気に満ちており、私たちは日本中を旅することで日本が大好きになりました。しかし、1994年に2度目の駐日となったとき、日本はすっかり変わっていました。私は大阪の総領事となり、妻と幼い娘2人と共に神戸で暮らし始め、阪神・淡路大震災も経験しました。
 私たち夫婦は互いのキャリアを継続させようと努力してきました。娘たちが独立すると、さらに柔軟に働くようになり、妻が2014年、駐オランダ大使に就任すると、私も同行しました。そして2016年8月、私は大使として日本に戻りました。妻は昨年8月、オランダ大使の任期を終え、東京で再び一緒に住んでいます。私たちは幸運にも2020年まで日本に駐在しますが、日本ではラグビーW杯や東京オリンピックが開催されるので楽しみです。
 昨年、わが国では総選挙があり、3党連立の新政権が誕生しました。ニュージーランドでは3人目の女性首相であるジャシンダ・アーダーンは、現在37歳です。出産のため、今朝3時ごろ入院しました。まだ吉報は届いていませんが、もうすぐでしょう。首相在任中の出産は史上2人目です。ニュージーランド人として大変誇りに思います。
 わが国は1980~90年代、行財政改革を実施しました。主な内容は税制改革、財政再建、農業補助金撤廃などです。そのおかげでわが国の農業は多様化し、おいしいワインなども生産しやすくなりました。改革は政治にも大きな影響を与えました。2000年以降、政治が安定し、労働党政権が9年間、国民党政権が9年間続きました。2000年には選挙制度が改正され、連立政権がうまく機能するようになり、現政権に至っています。
 経済も安定的に成長しています。その理由として主に三つが挙げられます。一つ目に人口が増えており、特に最大都市のオークランドでインフラ・住宅の建設ラッシュが続いていることです。2011年に震災に見舞われたクライストチャーチの復興も進んでおり、建設業界は非常に活発です。二つ目に、農業製品のグローバル市場における価格上昇です。特に酪農製品が高騰しています。三つ目に、日本と同じくわが国を訪れる観光客が増加し続けていることです。
 わが国と日本は、地理的に似ている点が多いですが、社会の様相は大きく異なります。先住民のマオリ人が定着したのは13世紀ごろであり、わが国は世界で最も若い国の一つです。植民地の歴史は18世紀に始まり、アジアからの移民は19世紀に始まっており、現在のニュージーランド社会は多様性に富んでいます。国としては新しいですが、ユニークな社会を確立しています。
 わが国と日本は、安全保障において強いパートナー関係にあります。米国がアジア太平洋地域を管理し続けられるよう両国は協力していく必要があります。その上で、世界の課題に対し、両国が国際社会とともに取り組む必要があります。特に小国なので、国連やWTOなどの国際機関を大事にしています。ですから、最近の米国の動向はやや懸念されます。
 ニュージーランドの経済は中小企業によって支えられています。その多くは国際市場で競争しており、日本も重要な市場です。日本の農産物市場は必ずしも開かれていませんが、われわれは長年にわたり安全で高品質な農産物を供給してきました。CPTPPにより、両国はさらに強固なパートナーシップを確立できるはずです。また、わが国は日本からの投資を歓迎してきました。特に農林漁業やエネルギー分野で日本から重要な投資を受け入れています。これからは再生可能エネルギー、水素、ロボットなどの新分野でもさらなる経済協力を進めたいと考えています。
 両国では人的交流も長年進められてきました。40ほどの姉妹都市関係が結ばれているほか、姉妹校や友好協会も多くあり、われわれも友好促進を図るための特別な招聘プログラムを用意しています。青少年を対象とした英語とスポーツ合体型の教育プログラム「Game on English」も人気を集めています。
 現在も首脳・大臣級で両国の交流が大変活発に進められています。これから日本では大きなスポーツイベントがめじろ押しですが、両国にとって交流促進の大きな機会になると思います。皆さんも今回を機に、ニュージーランドのことにもっと関心を持っていただけたらうれしいです。

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