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2018年9月11日 (火)

「そしてフェイク経済の終わりが仕組まれる」

6月7日卓話要旨
(株)ティーモデルアイ 代表取締役 塚澤 健二 氏
(清水 宣夫会員紹介)
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    私は今年2月26日付で「相場の未来を暗示する2つの重要な数字」というコラムを書きました。重要な数字の一つは、米10年債利回りの「3.03%」です。この数字を上回れば本格的に金利が上昇するとみられるのですが、4月に達成しました。もう一つは、2月末時点でのNYダウ「26149ドル」超えです。これを超えないと、NYダウはしばらく低迷するとみられていたのですが、2月末に「VIXショック」が起きて、急落してしまいました。
 米長期金利と原油価格は今後の世界経済にとってとても重要です。米長期金利はCPI(消費者物価)と連動するように、1980年ごろをピークに下がってきたのですが、金利はCPIだけで左右されません。ニクソンショック以降、実体経済に比べて金融経済の方がはるかに大きくなっているので、金融経済が変な動きをすれば金利が暴騰するという状況が間近に迫っています。
 世界のデリバティブの残高は5京円に上ります。その中で一番多いのが債券のデリバティブで、この比率が上がれば上がるほど金利を下げます。今の世界的な低金利は、このデリバティブ商品をフルに使って無理やり作り上げているのです。現在、債券のデリバティブの比率は限界の8割に達しているので、これから同比率が下がれば金利が上がります。もし、サブプライムローンのときのように破綻が連鎖すると、大変なことになります。
 米長期金利は30~35年サイクルでボトムとピークがあり、2011~17年にボトムを付けたので、今後2040年のピークに向けて上がっていくでしょう。そうすると、いろいろな社会の仕組みが金利上昇を前提に動いていく必要があります。特に2020年以降、それが相当表面化してくると思います。
 現在、米国の株が上がっているのは「3つの緩和」を行っているからと考えられます。一つ目は金利を下げることですが、金利はもう下げられないところまで来ており、金利と株価が乖離しています。二つ目は量的緩和ですが、2014年12月以降は緩和していないのにNYダウが上がっています。では何が株価を上昇させているかというと、FOMC政策金利(短期金利)を長期金利を超えるほどまで上げるという、3つ目の緩和策です。この現象は2006年11月にも起きていて、その後リーマン・ショックが起きました。ですから、この長短金利逆転のニュースが出てきたら、そろそろ危険なことが始まるから株はやめておこうと考えた方がいいかもしれません。
 世界の通貨供給量は2016年に87.9兆ドル(約1京円)まで拡大しましたが、GDPが追いついていません。つまり、お金だけが膨張して、実体経済が成長していないのです。なぜなら、先進国がサービス産業化し、付加価値が落ちているので生産性が上がらず、成長率が上がらないからです。成長率を維持するには消費を増やすしかないので、消費者に借金させ、そのために資産バブルをつくらなければなりません。だから、米国はローンバブルをつくっているのです。米国の家計債務はリーマン・ショック前に12.6兆円でしたが、今は13.2兆円と過去最高です。中でも自動車ローンと学生ローンが問題です。学生ローンの貸倒償却率は8.9%で、急激に悪化しています。そして、このような多額の学生ローンを抱えて社会人となった人々に住宅関連業界は、住宅を購入しやすくなる制度を導入し、さらに借金地獄に突き落とすようなことを始めています。まるで住宅を購入できない層に住宅を買わせたサブプライムローンと同じです。
 また、米国の企業債務は、リーマン・ショック前の倍以上になっています。大きな理由は自社株買いです。それは自己資本利益率(ROE)を上げるためであり、プロの経営者はROE目標を達成すると莫大なストックオプションをもらえるからです。しかし、金利が上がると借金が返せなくなり、全てが終わります。そうした状況が間近に迫っているのです。
 ナスダック総合指数とドル建ての日経平均株価は同じ動きをしており、今年中に重なる可能性がありますが、重なった後が怖いのです。そうなれば株はやめた方がいいです。それまでは、日本の株は上がる可能性が高いです。投資には上場投資信託(ETF)がお勧めです。例えば市況が上がると思えば「日経レバレッジ」、下落局面ならば「日経ダブルインバース」を買っておくと安全です。今までは株価が上昇しないともうからないと考えられていましたが、これからは相場が下落する局面でも投資できるのがETFであり、日本でも主流になりつつあります。

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