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2018年10月 9日 (火)

「生い立ちに関係なく、誰でも好きな“じぶん”になれる」

8月23日卓話要旨

田中 麗華 氏  
(会社員・モデル)

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「児童養護施設出身モデル」に、職業としての「モデル」と「児童養護施設で育った一つのロールモデル」という2つの意味を込めています。今日のお話は、サクセスストーリーではありません。児童養護施設で育った子供たちの「自立の壁」や「こころの不安定さ」をお話し、児童養護施設で育った子供たちへの「理解の輪を広げたい」と思っています。「知らない」ことで、「誰かを傷つける」こともあり、逆に「正しい理解」で「誰かを救う」ことにもなります。

私は両親の不仲が原因で、これまでの人生の半分を施設で過ごす事になります。ごく普通の家庭が、小学校にあがると、両親がケンカをするようになり日常的暴力が…お母さんが家出し、お父さんの怒りは子供たちに。ある日、いつものようにお父さんから「出て行け!」と言われ、パジャマ姿で姉と2人で夜道を徘徊、警察に保護され、児童相談所へ、そして児童養護施設に移動になります。お兄ちゃんも、1ヶ月遅れて同じ施設に。

施設にいたことでいじめられたことはありませんでした。先生や友達のお母さんたちも理解がありました。夏祭り、花火大会、いろいろな催しにロータリークラブ等の方々が招待してくださり、皆で外出し食事をしたりする非日常の体験は、とても楽しかったです。

「一人の人としてみてほしい!」「ちょっとの頑張りも認めてもらいたい」、そんな思いが報われたのは、ピアノを習った事です。ピアノはやればやるだけ先生に褒められる…そのピアノの先生と喧嘩したこともありました。当時の私にとって信頼関係を深めるための大切な関わりでした。

アルバイトは2つかけもち。9月に志望校決定、自立準備で職員と密にコミュニケーション、施設を出る実感が湧いてきました。
短大に入学するまでに151万円必要、給付型奨学金は総額70万円。卒業までに144万円奨学金を借金。家具家電の寄贈はなく、アルバイトをして購入しました。学費はすべて奨学金で、生活費は全てアルバ 
イトで。学校が終わって5時間働き、土日はフルで働きました。友達がディズニーやライブに行く話で盛り上がっているのに「なんで私だけ?」お金の不安から友達の誘いは断り、一生独り?…まさにお先真っ暗ループです。

自治体で始まったフェアスタート事業のお蔭で、家賃が1万円に、経済的な“ゆとり”ができ、いろんな人との出会いが“じぶん”と向き合うきっかけにもなりました。いろんな大人に支えられ生きていることを再確認、「一生独り」ではないと気づきました。

そして、憧れていた「モデル」の夢に向かって歩き始め、ミスコンで準グランプリを受賞。
生い立ち関係なく誰でも好きな“じぶん”になれる!…これは私が一生かけて伝えていきたいことです。
 
給付型奨学金、住居、家具家電等の経済的支援、就労体験等で、施設で暮らす子供たちがフェアスタートできるように応援してください。巣立ちを応援しているプラネットカナールも宜しくお願いします。

ゆくゆく、私は福祉やマイノリティに光をあてる活動をし、施設で暮らす子供たちに、じぶんと向き合う大切さを伝えていきたいと思っています。

【NPO法人プラネットカナール理事長 鈴木邦明氏】

プラネットカナールは14施設を支援しています。今年8施設24名の卒業生を応援できました。今年からアメリカンスクールも活動に加わりました。主要な6家電は希望者全員に贈ることができ、それ以外にも222アイテムを贈呈しました。
贈呈式は、はにかみながら喜ぶ卒業生たちの笑顔で溢れていました。来年も30名ぐらいの卒業生を応援しますので、引き続きご支援、宜しくお願いいたします。

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