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2020年9月29日 (火)

「グルメ雑談 ―知っていて損はない、社交に役立つグルメ知識─」

9月3日卓話要旨
清水 宜夫会員
(香取 純一会員紹介)

202093
 本日はグルメの話ですが限られた時間ですので要点だけお話し致します。さっそく「グルメの歴史」という話に入りますが、世界三大料理であるトルコ料理、中国料理、フランス料理、中でも日本ではあまり馴染みのないトルコ料理は、世界で最もメニューが多く、約2500品目という驚くべき数です。レパートリーが広く、肉魚だけではなく野菜の料理が1500種類もあります。もし東京でトルコ料理を召し上がるなら麻布のBURGAZ ADA(ブルガズ アダ)このお店がナンバーワン。訪日したトルコの大統領が来店されるお店です。
 世界料理になるには、覇権国家、東西南北交流、外交としてのグルメ、という3つの条件が全部揃います。一番面白いのは中国料理、特に北京料理です。今は四川料理か上海料理か広東料理で、北京料理という言葉をお聞きになることはないと思います。実は北京料理という料理はありません。昔、中国の皇帝は全土を掌握すると傘下の王国に対して北京に参勤交代をさせました。その際には皇帝も御馳走しますが地方の殿様もコック長を連れてきて一番おいしい料理で答礼宴会のようなことをしました。それら何百種類という料理の中から、相性、地域、季節などから組み合わせて出来たものが、北京料理と言われています。ちなみに、北京料理の中で一番有名なのは満漢全席ですが、残念ながら私は食べたことがありません。食べた人の話では、1食につき15種類位出るので、とてもじゃないが食べきれないそうです。文化大革命の頃には、まだ満漢全席があるというので値段を聞いたところ一人150万円もするという、とんでもない値段でした。
 イタリアでフランス料理を誉めてはいけない、というのは知っておいた方が良いと思います。歴史的に古い話になりますがイタリアのメディチ家が財政立て直しを図って娘をフランスのルイ11世に嫁がせた時、娘のためにコック団を随行させました。素材の味を生かすイタリア料理に比べてフランスの素材は半分腐っているというので、味の濃いソースをかけるか煮込んでしまえということで生まれたのがフランス料理の“オールドフレンチ”です。ソースの味が8種類位とバラエティーが少なく、バターと生クリームを生かすというのが特徴です。戦後、冷凍技術と物流が発達してフランスでも良い素材が手に入るようになって新しい料理法、所謂“ヌーベルキュイジーヌ”が出来ました。今、日本に来ているフランス料理は皆これです。
 今でこそ食事のマナーにうるさいヨーロッパですが、歴史的にはそう優雅でもなく、殺伐として損得に絡んだ話もあります。テーブルクロスはいつから使われるようになったのか。戦争が続いた時代、講和の宴で眠り薬の入ったワインを飲ませて寝首を掻くのは常識で、それを防ぐため高くしたテーブルにテーブルクロスをかけて兵隊を忍ばせると、今度は、テーブルクロスを絶対にかけなくなる。200年程を経て、今のようにテーブルクロスをかけるようになったと言われています。フォークは、漫談的な要素もありますが、庶民の間で誕生し流行していたスパゲッティーを食べるため、ナポリ太閤がコック長に作らせたとも言われています。
 日本料理がこの十年間で脚光を浴びています。NHKがフランス料理の優秀なシェフ約20名を招き、築地へ連れて行くなど、世界で知られていなかった日本料理とのコラボレーション番組を制作しました。シェフ達は複雑にブレンドされたマルチの出汁に脱帽し、魚料理を美味しくする刺身包丁に驚きました。以来、フランスから来るシェフは皆、一流の包丁屋で5万円も10万円もする銘の刻まれた包丁を買うようになったと言われています。
 最後に、日本のグルメ評論家と言えば、皆様ご存知の北大路魯山人ですが、漫画『美味しんぼ』に登場する海原雄山は彼がモデルだと言われています。実はグルメ評論家には二通りあります。自分で一銭も金を出さず「俺は有名なんだから、書いてやるからタダで食わせろ」と言う人と、黙って行って知られないようにして自分のお金で食べて「あそこの店は美味かったよ」と言う人。本当の評論家というのは自分のお金で三回行く、そうして本当に美味しかったものを書くものですが、今はこういったことをやる評論家はなかなかいないかもしれません。
レジュメを全てお話しできませんでしたが、以上、ご清聴ありがとうございました。
 
 

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